私は言語聴覚士という仕事をしています。
職業柄、人の思考や認知について考えることが多く
その人その人が認知するものは、その人の送ってきた人生によって変わってきます。
そんな認知機能が脳の病気によって変化してしまうことがあり、
専門用語で高次脳機能障害といったりするのですが、
この障害をもった人のリハビリを担当しています。
脳の病気になる前のベース(元の)の認知機能
➕脳の病気によって変化した認知機能
=今の患者さん
患者さんに向き合うにあたって、
その人が今まで生きてきて認知してきたもの(つちかってきた考え、価値観、思考)を想像しながら、
学問的に認知ってなんだろう?心理ってなんだろう?ってことも勉強しながら、
双方をごちゃごちゃごちゃごちゃミックスしてひたすら想像する仕事です!笑笑
思考や認知というのは目に見えないものなので、変な話、怖い話?レッテルを簡単に貼れてしまいます。
例えば、高次脳機能障害で「意欲低下」というものがあります。
臨床をしていると原因は様々に、意欲が低下している患者様をよくみます。
だたやる気がないだけの人!とすることもできるし、
高次脳機能障害の影響で意欲低下しているからリハビリして頑張らせなきゃ!とすることもできます。
しかしこのどちらでもない理由で意欲低下をきたすことがあり、
この3つを鑑別することはかなり大変なのですが、、、
大変なのですが、
この問題を考えたことで私は大きく成長させられたきがします。
というのも、過去に大事なことを教えてくれた患者さんがいました。
その人は、脳卒中を何度も繰り返していました。
その人は表情は乏しく、声は小さく、トイレにいく、ご飯を食べるという基本的な生活動作をするだけで、本当になにもできない、リハビリも全く頑張れない。
そんな状態でした。
理学療法、作業療法士さんはその方に対して、励ましながら、喝を入れながらリハビリに向き合ってもらうような関わりをしていました。
やる気がない、高次脳機能障害の影響による意欲低下であれば、その対応でだいたいはあっており、私も同じように元気を出してもらうよう励ますべきか悩みました。
しかし、その人の話を聞いていくうちに、やる気がないわけでも、高次脳機能障害の影響でもないことに気づきました。
その方は端卒中を繰り返していて、端に精神的に本当に落ち込んでしまっていたのです。
精神的にがんばれない状況だったのです。
医師の診断があるわけではないので、こう表現してはいけませんが、簡単に言うとうつっぽくなっていました。
こうなってしまっている患者さんに対して、
「頑張らせる」ことは逆効果です。
私はひたすら毎日1時間お散歩にいったり、意味もない、考える必要もない、何気ない話少ししたり、その人がぼそっといってくれた言葉を拾い傾聴しました。
すると1ヶ月ほどすると徐々に元気になっていきました。
元気になって、どんどんおはなしできるようになり、良い方向へと変わっていきました。
変わっていったのですが、
正直私のしていることが本当に正しいのか?
結果が出るまでヒヤヒヤでした。
一見雑談だけしてるように見えるリハビリ。
効果なければ、あの子なにしてるの?ってなります。
私は自信をもって上の方法を選択し行ってましたが、認知や思考は目に見えないので、本当に難しいです(><)
「やるき」 や 「意欲」は個人差も大きく、
年代、性別、過程環境など様々に変わる難しいものの一つです。
「うつ状態」としたのも間違っていれば、
間違ったレッテルを貼ってしまったことになります。
患者さんはだいたいが年上の方です。
そんな人生の先輩に、あってるか間違ってるか、「あなたはうつ状態です」とラベルをはる可能性のある仕事です。
患者様に適当なことを言えない立場にあるせいなのか、
こんなことばかり日々考える仕事なため、
「「人間自分のことしか見えなくなったら終わりだな」」なんて、思っています。
自分が自分のことしか見えてないのに、患者さんに周りを見てくださいなんて言えないですもんね。。。
どんなに忙しくても、
どんだけ失敗しても、
どんだけ落ち込んでても、
自分しかみえてないなんて状況にはならないようこころがけていました。
けど、今はダメだ、、、、、
自分しかみえない。
余裕がほんとにない。
心の余裕がなさすぎる。
もーギリギリ。
自分のことしか見えない時間が増えてるのがわかる。
いよいよ終わりか。。。私。。。
ほんとにいっぱいいっぱいなのかもしれない。
なにが言いたいか伝えれていな気がする。
がしかし、お休みなさい。